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開発組織全体での開発生産性スコアが優れた組織〜50名未満の組織規模 部門 〜
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「Findy Team+ Award 2024」 は、「Findy Team+」を利用する企業のエンジニア組織を対象に、生産性指標をもとに評価し、約450社・約20,000チームの中から優れた開発生産性や取り組みを実現しているエンジニア組織を讃える取り組みです。
本記事では、Organization Awardを受賞した〜開発組織全体での開発生産性スコアが優れた組織(50名未満の組織規模)〜について、受賞企業の取り組みをインタビュー形式でご紹介します。
amptalk株式会社
受賞企業代表プロフィール
氏名:鈴木 啓太 役職:CTO 経歴:2020年にamptalk株式会社を共同創業し、取締役CTOに就任。開発組織の構築と成長を牽引。
開発生産性可視化について・Team+導入に関して
Team+の活用を通して目指している姿
弊社はテクノロジーの力で営業現場の課題を解決し、セールスイネーブルメントを実現するセールステックカンパニーです。 営業の現場は多種多様であり、課題も複合的かつ多岐にわたります。そのため、真に顧客の課題を解決し、必要とされるプロダクトを開発するには、高速な仮説検証を繰り返しながら改善を続けるプロセスが不可欠です。 そこで Findy Team+ を活用し、特に Four Keys メトリクスの可視化と改善に取り組むことで、高速にプロダクトをリリースし、改善サイクルを効率よく回せる組織を目指しています。
それに向けて取り組んだ結果、どのような効果を出せているか
実際に行った取り組みは以下の通りです。 リリースパイプラインの完全自動化
- 自動テストの高速化と安定化
- チーム主体でのリリースフローの構築
- フィーチャーフラグの活用促進
これらの取り組みにより、3ヶ月間でデプロイ頻度:0.2件/日 → 1.4件/日、変更のリードタイム:40.9時間 → 20.2時間速度など指標が大幅に改善しました。 取り組みの詳細については、こちらの記事にまとめています。
なぜそのような効果が出せたのか
Four Keys メトリクスを OKR の一部に組み込み、Findy Team+ を活用してチームの振り返りに活用しました。具体的な改善活動は以下のプロセスで進められました。
- チームで定期的に行うレトロスペクティブでアクションアイテムを作成
- 有志がRFCを作成
- メンバー全員で分担して取り組む
- このボトムアップかつ反復的な計測と改善により、ボトルネックを特定
- 顕在化した大きなボトルネック(例:リリース時の手作業)を解消
- 次に隠れていたボトルネック(例:承認プロセス)を特定 といったプロセスを繰り返すことができました。このアプローチが非常に効果的な結果を生みました。
今後、チャレンジしていきたい取り組み
今回、このような形で私たちの開発生産性に対する取り組みが評価されたことを非常に嬉しく思います。一方で、私たちが究極的に目指すゴールは、お客様への提供価値の最大化です。 開発生産性は1つのアウトプットとして捉え、最終的なユーザへの提供価値(=アウトカム)を最大化できる組織となるべく、開発組織に留まらない改善を今後も繰り返していきます。
Recustomer株式会社
受賞企業代表プロフィール
氏名:眞鍋 秀悟 役職:CTO 経歴:京都大学を首位入学し、PFNやMujin、Hacobuなど複数のベンチャーを経験。現在CTOを務める。
開発生産性可視化について・Team+導入に関して
Team+の活用を通して目指している姿
Recustomerでは、顧客価値を最大化するため、戦略的かつ実行力の高い開発体制を構築しています。 毎週のスプリントでは、チーム全員が共通の目標に向かい、EC業界の変革に挑戦し続けています。 メンバー各自がタスクの優先順位や進捗を深く理解し、可視化されたメトリクスを活用して互いに支援し合う文化が根付いています。 この取り組みによって、優先度に基づいた効率的な開発が可能となり、迅速かつ協力的なプロセスを実現しています。 顧客価値を最優先に考えたこの体制は、組織全体の生産性と連携力を向上させ、Recustomerの強みを最大限に引き出す原動力となっています。
それに向けて取り組んだ結果、どのような効果を出せているか
各タスクが顧客に与える影響をチーム全員が深く理解する文化を醸成し、その結果、タスクの優先順位が明確化され、迅速なデプロイを実現しました。 これにより、チーム全体が目標に向け効率的に連携できるようになり、プロダクトのリリース頻度が着実に向上しました。 また、タスクの進捗やレビューの状況を迅速に把握できることで、滞留する課題への即時対応が可能になりました。 この仕組みはプロジェクトの透明性を高めるだけでなく、メンバー一人ひとりの負担を軽減し、働きやすさの向上にも寄与しています。 その結果、Findy Team+ Awardを受賞し、私たちの高い開発生産性と組織力が客観的に評価されるに至りました。
今後、チャレンジしていきたい取り組み
新技術への挑戦を続けると同時に、ドキュメンテーションやテスト計画の強化を通じて属人性を排除し、品質をさらに向上させる体制を目指します。 これにより、迅速な開発だけでなく、未然に防げた出戻り作業の発生を防ぐ仕組みを構築し、一段とスムーズなプロセスを実現したいと考えています。 チーム全体の課題解決力をさらに高め、業界全体に影響を与えるようなプロダクトや機能の開発に取り組んでいきます。 これまでの成果を基盤に、継続的な改善を重ね、私たちのビジョンをさらに進化させていきます。
パートナーサクセス株式会社
受賞企業代表プロフィール
氏名:末澤 政人 役職:CTO 経歴:代理店業務を一元管理する代理店連携管理クラウド「PartnerSuccess PRM」の開発責任者。
開発生産性可視化について・Team+導入に関して
Team+の活用を通して目指している姿
チームの状態を可視化して健康診断を行い、スピードと質を両立した開発環境を目指しています。 具体的には、定量データ(4Keys)を活用してリードタイムやデプロイ頻度などを分析すると同時に、定性データ(Spaceフレームワーク)を通じてチーム満足度や協力状況を把握。 この診断結果を基に改善施策をチーム全体で検討し、実践に移す予定です。 また、チームの人数が増えたり体制が変わったりしても、高い生産性を維持できる柔軟な仕組みを構築することを目指しています。この取り組みによって、属人化の排除やプロセスの最適化を実現し、チーム全体で効率的かつ質の高い成果を生み出す状態を理想としています。
それに向けて取り組んだ結果、どのような効果を出せているか
「スピード」と「品質」の両立を目指し、取り組みを行いました。
スピード面では、プルリクエストを小さくし、合わせてレビューを平準化することにより属人化を解消しました。 DesignDocを活用し、手戻りを減らし、品質の高いシステムを保てる仕組みを作りました。 品質面では、
ライブラリやフレームワークのバージョン管理を自動化し、最新の状態を維持。 最新のセキュリティ対策が整った環境を構築。 ReleaseToggleを用いたFeatureToggle戦略を採用し、デプロイとリリースを分離。 CI/CDを徹底し、エラーを最小化し、高品質なシステムを安定して提供。
なぜそのような効果が出せたのか
属人化を防ぎ、認知負荷を軽減する仕組みが整ったことが大きな要因です。 特定の個人に依存せず、全員でサポートし合う体制を構築することで、チーム全体の生産性が向上しました。 また、リファクタリングを優先する文化を醸成させることで、技術的負債を計画的に削減し、長期的な開発効率の向上につなげています。 さらに、スクラムの振り返りを通じた改善文化により、課題の早期発見と迅速な解決を可能にし、チーム全体の底上げができたと考えています。
今後、チャレンジしていきたい取り組み
今後は4Keysの定量的なデータとSpaceフレームワークによる定性的な分析を統合し、物的生産性だけでなく付加価値生産性も重視した取り組みを進めていく予定です。 具体的には、エンドユーザーに直接利益をもたらす要素に着目し、仕組みやコードのボトルネックを特定して改善を目指します。 さらに、技術的負債を計画的に管理し、リファクタリングを通じてメンテナンス性の高いシステムを実現し、長期的な生産性向上と柔軟なチーム体制の確立を目指していきたいと考えています。
PharmaX株式会社
受賞企業代表プロフィール
氏名:古家 大
役職:EM
経歴:ニフティ株式会社 → フリーランスとして10社以上のクライアント支援 → PharmaX入社。
開発生産性可視化について・Team+導入に関して
Team+の活用を通して目指している姿
「一人一人のモチベーションを引き出し、エンジニアとしての成長と事業の成長を両立すること」を目指し、エンジニアが成長する機会を創出できるような最高のプロダクトを生み出すこと。
それに向けて取り組んだ結果、どのような効果を出せているか
①プルリクエストのリードタイム短縮
- プルリクエストのリードタイムが大幅に短縮。
- コミットからプルリクエストマージまでの平均時間が10時間と、以前の1/10以下を達成。
- デプロイ頻度の増加
②デプロイ頻度が導入当初の1日0.3回から、3ヶ月後には1日2-3回と約8倍に増加。 これにより、ユーザーへの価値提供のスピードが飛躍的に向上。
③レビュー体制の改善 「レビューを最優先にする」ルールの導入により、レビューから承認までの平均時間が1時間以下と、以前の1/10以下を達成。 なぜそのような効果が出せたのか
④データドリブンな可視化と改善提案
Findy Team+でプルリクエストのリードタイム、デプロイ頻度、レビュー速度などの開発プロセスの指標を可視化。 チームのボトルネックを明確化し、具体的な改善施策を検討可能に。
⑤小さく早いサイクルの実現 プルリクエストサイズや頻度を意識する「1日1PR以上」ルールの導入。
- 小さな単位での作業とレビューにより、エンジニアの心理的負担を軽減。
- 継続的な目標設定と成果の共有
- 開発生産性を向上させる目標設定を事業部の目標とは別に設定。
- 成果を可視化することで、チーム全体での達成感を共有。
今後、チャレンジしていきたい取り組み
- 全社OKRと開発OKRのアラインメント
- OKRとアジャイルの活動との連携
- バリューストリームの可視化
- エンジニアのディスカバリーフローへの参加
- 事業ドメインとコードベースの同期