Findy Team+ Lab

インタビュー

導入半年でリードタイム26%減少、レビュー数40%増加へ。 GMOメディア株式会社が取り組んだ可視化と計測とは?

導入半年でリードタイム26%減少、レビュー数40%増加へ。 GMOメディア株式会社が取り組んだ可視化と計測とは?

本記事のサマリ

◆導入前:解決したかった課題

コロナ禍のリモートワークによって、コミュニケーション量の低下が顕著に。Slackでのやり取りで“作業待ち”が発生しているなど水面下で問題が発生している懸念があり、計測が必要と考えていた。

◆Findy Team+を導入した理由

パフォーマンス計測のためにFour Keys メトリクスを可視化したいと考え、可視化ツールを探したが海外製のツールしかなかった。日本語対応ツールを探し、Findy Team+に辿り着いた。

■導入の決め手

開発生産性の計測の必要性を感じていた角田氏が部長に昇格したタイミングで社長に直談判。サービス開発部全体定例でツール導入をアナウンス。各チームリーダーや現場に権限を付与し、評価には使用しないことを伝えるなど導入時アナウンスを丁寧に行い現場の理解を得た。

◆導入後:成果

「Findy Team+」導入半年でリードタイム26%減少、レビュー数40%増加。メンバーの生産性に対する意識が高まり、着目するようになった。1年間でデプロイ・プルリク数が増加し、レビューリードタイムも顕著に改善。

目次

導入半年でリードタイム26%減少、レビュー数40%増加へ。GMOメディア株式会社が取り組んだ可視化と計測とは?

MG 0931

企業理念「For your Smile, with Internet.」をベースに、顧客接点をメディアとして広告事業を行っているGMOメディア株式会社。同社では、エンジニア組織における個人の振り返りや組織の課題発見に、エンジニア組織支援クラウド「Findy Team+」を活用いただいています。

今回は、サービス開発部部長を務める角田 智哉氏、「コエテコ byGMO」チームでマネージャーを務める北谷 凌氏にインタビュー。開発生産性の計測にあたって「Findy Team+」を導入した背景や、導入によって改善できたことなどについてうかがいました。

ミッションはクロスドミナンスの組織でいること

MG 0788

――GMOメディアの開発部門の体制やミッションについて教えてください。

角田 智哉氏(以下、角田):開発部門である「サービス開発部」は52名の正社員パートナーに派遣・アルバイトパートナーを含め、57名の規模です。さらにスポットで業務委託のエンジニア3、4名にヘルプをお願いしています。Findy Team+導入後、人数は増加傾向にあります。 サービス開発部のミッションはクロスドミナンス(分け利き)を目指すエンジニア組織であり、 既存サービスを継続的に「深堀り」し、事業x技術・品質の卓越性を追求する一方、新しい技術の「探索と適応」を行うことによりイノベーションを推進することです。 サービス開発部だけで運営しているわけではないため、他部署とのクロスファンクショナルな協力を通じて、多様な視点と専門知識を統合し、事業の未来を創り上げることが重要です。

また、GMOインターネットグループ代表の熊谷は既存事業がAIに置き換わることを懸念し、年初に、AI活用をグループ全体のテーマに掲げました。そのため、AIを使った施策をいろいろ考えています。

作業待ち発生の懸念から開発生産性の計測が必要に

MG 0771

――開発生産性の計測について、どのようなきっかけや背景から取り組みを始められましたか?

角田:開発生産性については未計測でしたが、エンジニアの生産性に課題は感じていませんでした。しかし、コロナ禍でリモートワーク主体の働き方へシフトしたことによって、コミュニケーション量の低下が顕著になりました。Slackでのやり取りの途中で作業待ちが発生し、その場合は水面下で問題が発生している懸念がありました。そうした課題解決のため可視化と計測が必要と考え、Findy Team+を導入しました。

――どのようなきっかけで「Findy Team+」を知ったのでしょうか?

角田:当時マネージャーだった私は、Four Keys メトリクスを可視化したいと考え、ツール導入を検討しました。海外ツールはメトリクスが細かく、英語であるため直感的な理解ができない場合にメンバーが見なくなってしまう懸念があったため、日本語対応ツールを探し、Findy Team+に辿り着きました。

――導入にあたり、「アプリ」「GMOリピータス」「コエテコ byGMO」の3チームを選定されました。

角田:最初に自分の管轄下で導入しやすかった「アプリ」チームとポイントOEMのサービスを手がけている「GMOリピータス」チームでした。「コエテコ byGMO」チームは少し遅れて導入しました。

――「Findy Team+」導入後、課題特定に至るまでの過程はどうだったのでしょうか?

角田:導入当初はパラメータが多いため課題を把握しきれませんでした。とはいえ、日常的に数値から課題を捉えているため、自チームの数値を見て分析し、課題を発見してくれるメンバーがいたのがよかったです。ツールを導入したうえで、ある程度、課題を見つける能力は必要だと思っています。

――開発生産性の計測を通じたゴールは、どういったところに設定されていましたか?

角田:「ZOZOTOWNによる開発生産性2-3倍への取り組み」についての記事を読み、「これをやりたい」ということをメンバーに伝えました。

――「Findy Team+」の導入について、社内ではどのように理解を得ていきましたか?

角田:メンバーには、サービス開発部全体定例でツール導入をアナウンスしました。各チームリーダーに権限を付与し、現場メンバーにはスタッツ権限を与えました。ネガティブな印象を与えないように、生産性を上げるためのツールであり、評価には使用しないことを伝達しています。経営層については、部長に昇格したタイミングで社長に直談判しました。 導入から1年経過後、経営層に報告した際に、「使いこなしてね」とは言われました。継続の稟議を出す際、高額であることから、「どんなアウトプットが出せるのか」を提示しました。昨年コパイロット導入タイミングで、他ツール導入後の結果の指標を求められたので「Findy Team+」を活用して報告しています。

7年続くプロジェクト「コエテコ byGMO」のサービス拡大を目指して

■プロジェクト 「コエテコ byGMO」は7年続いているプロダクト。子ども向けプログラミングスクール教室ののポータルサイトから出発し、ドローンや予約システムとの連携など、新規開発・新規サービスとして拡大。教育分野として事業をどれだけ最大化できるかに注力中。

北谷 凌氏(以下、北谷):最初は「Findy Team+」の活用方法について悩みました。人数が3名から8名へと増えたタイミングだったこともあり、明確な課題の把握も難しかったです。

着目された指標のひとつ「レビュー」については、レビュワーを均等に配分しましたが、レベル感の相違から、結果的に偏りが出てしまいました。均等にすることを目標とし、レビュー平均時間も「1日30時間以内なら平均」など調整して目標を設定しました。

導入半年でレビュー1人あたりの26%に短縮。リリース数も増加

MG 0812

__――「Findy Team+」の履歴を拝見すると、半年間でデプロイ・プルリク数が増加し、レビューリードタイムも顕著に改善しています。 __

スクリーンショット 2024-11-13 16.35.58 ※改善前のレビュー相関図(2023年7月〜9月)

スクリーンショット 2024-11-13 16.37.04 ※改善後のレビュー相関図(2023年10月〜12月)

北谷:レビュー1人あたりの時間が短縮し、リリース数も増加しました。人数が増えても生産性が低いと、プルリクの数は低下します。しかし、そのような傾向はなく、むしろリリース数の増加につながりました。

――開発生産性の可視化を通じて、組織やメンバーのなかで意識や行動が変化したと感じることはありますか?

角田:コロナ禍で遅れていたやり取りが「Findy Team+」導入後は改善しましたし、意識も上がっています。

北谷:メンバーの生産性に対する意識づけにつながり、生産性に着目するようになりました。改善による結果を可視化できるため、「サクサク進んでいる」と実感するメンバーが多いようです。

従来は感覚値でしたが、可視化によってより具体的に「◯◯さんに作業が偏ってるよね」といった会話ができるようになりました。現状のチーム目標は、レビューについての数値を追求することです。

――今後、「コエテコ byGMO」チームとして、どんなことにチャレンジしたいと考えていますか?

北谷:「コエテコ byGMO」は7年続いているプロダクトです。元々は子供向けプログラミング教室のポータルサイトから派生し、現在はドローンを含むさまざまなサービスを展開しています。よりよいアーキテクチャへと変革し、開発生産性向上につなげたいと思っています。また、別で新規プロジェクトが動き始めているので、高い生産性をもってプロダクト成長に貢献できるように開発していきたいですね。

「Findy Team+」は開発マネージャーのコミュニティの役割も

MG 0820

――開発生産性の計測に関する今後のトライとして考えていることを教えてください

角田:組織全体への適応は難しいですね。各チームで1名担当を決め、「何を目標とするのか」「何を計測するのか」「何を取り組むのか」について、取り組みを開始したところです。

「GMOリピータス」チームについては、アウトカム指標をサービス成長につながるような別の指標に持っていくよう、トライしています。プロダクト担当エンジニアだけではなくて、デザイナーやディレクターなど事業に関わるメンバー全員がプロダクトに意識を向け、共通目標を持った方が成長につながると感じています。 

――「Findy Team+」のおすすめポイントを挙げるとしたら、どんなところでしょうか?

角田:KPTふりかえり機能や目標設定機能の追加など、要望を伝えると早めに検討してもらえるので非常に助かっています。また、定例MTGでのサポート内容やレポート内容を基にした振り返りについても、現場エンジニアが気づかない点を教えてもらえるので、ありがたいですね。

「Findy Team+」が1つのコミュニティのように感じています。エンジニアは生産性について関心があるわけではありませんが、マネージャー以上になると関心が高いですね。そのためマネジメントにおけるつながりがある点に魅力を感じています。昨年、「Findy Team+ユーザーイベント」に参加しましたが有意義な体験ができました。

北谷:自動で可視化され、各個人の数値が見えるため、異常検知がしやすくなりました。例えば、いつもと違う数値が出ているとした場合、何かボトルネックになっているのか、困っているのかなど数値から早期に行動・対応するなどができると思っています。

自社開発ができる環境でプロダクトを成長させられるのが魅力

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――それでは最後に、組織のアピールポイントや一緒に働きたいエンジニア像について教えてください

角田:当社は自社開発でプロダクト開発できる点が強みです。プロダクト成長のためにコミュニケーションを密に取ることができますし、それを楽しめるメンバーが多い環境です。マネジメントやスペシャリストのキャリアプランがあるだけではなく、PdMとしてサービスを成長させたり作ったりすることへのチャレンジも可能です。

また、市場変化に敏感なため、KPIの変化から「何を作るとヒットするのか」をともに考えることができる風土があります。今年から、データチーム(横断チーム)が新設され、データドリブンなエンジニア組織にも注力しています。技術力を向上させながら、みんなでワイワイできるのが当社の魅力だと思います。

多様なメンバーが多く、メンバーはさまざまなことに興味を持ち、変化を楽しめるマインドをもっています。大企業と異なり、細かく役割を決めていないため、やりたい人はやれる環境です。そういった環境を楽しめる方と、ぜひ一緒に働きたいです。

※現在GMOメディアでは、エンジニアを募集しています。 GMOメディア株式会社の求人 ※「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。 https://findy-team.io/

プロフィール

MG 0844 角田 智哉氏: GMOメディア株式会社 サービス開発部・部長。バックエンドエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、ネイティブアプリ開発やフロントエンド開発の経験を積みながら、数々の新規サービスの立ち上げに従事。現在は、エンジニア組織の責任者として、組織の管理体制やスキル管理の整備、プロジェクト管理、必要に応じて業務内容の改善などの取り組みも行う。

MG 0894

北谷 凌氏: GMOメディア株式会社 サービス開発部 「コエテコ byGMO」チーム・マネージャー。化学系専門商社で営業を担当後、コロナ禍をきっかけにキャリアチェンジを考え、2021年に未経験エンジニアとしてGMOメディアに中途入社。「コエテコ byGMO」チームのバックエンドエンジニアを経て、SaaS開発に携わり、2024年8月より現職。マネジャーとしてメンバーのPJ進行管理と教育を担当。

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