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インタビュー

受託開発の現場を支える開発生産性の定量化。HapInSがFindy Team+で実現するFour Keys向上の取り組みとは?

受託開発の現場を支える開発生産性の定量化。HapInSがFindy Team+で実現するFour Keys向上の取り組みとは?

本記事のサマリ

◆導入前:解決したかった課題

リーダー陣やマネジメント層は、プルリク作成からマージまでの時間やレビューの優先度などに課題感を持っていたが、組織全体では共有できていなかった。また抽象的な目標を設定していたため、開発生産性の向上を目的とした改善サイクルを適切に回せていなかった。

◆Findy team+を導入した理由

佐藤氏(CTO)は以前から開発生産性に関心を持っていたが、目立った取り組みはできておらず、チームによって生産性にバラツキが生まれている状態だった。そんななかで受託事業部を立ち上げることになったことをきっかけに、開発生産性の計測に取り組むことを決意。自前で計測する案も出ていたが、費用対効果や運用負荷などを考慮し、Findy Team+を導入。

◆導入の決め手

同様のツールは他になく、他社の活用事例が豊富だったことから、開発生産性を向上するツールとしてFindy Team+が主流だと考えた。何より、組織規模に合わせて料金プランを選択できることが、導入の決め手となった。

◆導入後:成果

組織全体として定量的なディスカッションができるようになった。可視化されたことでメンバーの意識にも変化が生まれ「プルリクのサイズを小さくする」「モブレビューを実施する」など、改善に向けた自発的な取り組みが増えた。また、オフショアメンバーとのコミュニケーションが増え、以前よりスムーズにやり取りできるようになった。

◆プロジェクト

受託開発とSES(システムエンジニアリングサービス)をメインに事業を展開。受託開発ではクライアントのビジネス成長にコミットすることをミッションとし、提案~課題解決まで一気通貫で支援している。2024年からは海外拠点でのオフショア開発もスタートするなど、会社として成長フェーズに突入している。

目次

受託開発の現場を支える開発生産性の定量化。HapInSがFindy Team+で実現するFour Keys向上の取り組みとは?

「個人と社会の幸せを追求する」を企業理念に掲げ、受託事業とSES事業を展開しているHapInS株式会社。同社は2021年8月1日を第二創業として、SES事業を主体としていたところから受託事業との2本柱に移行し、事業および組織を拡大し続けてきました。そんな急成長中のHapInS株式会社では、受託の案件ごとにチームを作成し、各チームでエンジニア組織支援クラウド「Findy Team+」を活用いただいています。

今回は、CTOの佐藤 佑亮さんとチームリーダーを務める糸魚川 航汰さん、渡辺 ミルさん、ジョ・ヨンハンさんにインタビュー。開発生産性の計測をスタートしたきっかけや、活用方法についてうかがいました。

クライアントに寄り添った開発を特徴とするHapInSの開発組織

──開発組織のミッションを教えてください。

佐藤:私たちはお客様のビジネスにコミットした開発をミッションとしています。言われたものをそのまま開発するのではなく、実際に価値のあるシステムを提案、開発することで、お客さまのビジネス成長に貢献していくことを心がけています。

──組織規模、体制についてもお話いただけますか。

佐藤:国内の開発組織としては、エンジニア、デザイナーを含めて約20名。オフショアの開発拠点は8名です。

私が事業部のトップとして組織をまとめていて、その下に複数のチームがあり、メンバーに各チームのリーダーを任せています。糸魚川、渡辺、ジョの3名は、昨年末から今年にかけて行った組織編成でリーダーに昇格しました。

──ジョさん、糸魚川さん、渡辺さんは、過去にもリーダーを経験したことがあったのですか?

佐藤:いいえ。3名ともリーダーポジションを経験するのはこれが初めてです。リーダーとして日が浅いながら、開発生産性の向上に向けた取り組みを推進してくれました。

ちなみに、HapInSでは案件ごとにチームを作成しており、それぞれにFindy Team+の活用法も異なります。後ほど、リーダーである3名から各チームでの活用方法をご紹介します。

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事業立ち上げをきっかけに、Findy Team+の導入を決意

──開発生産性の計測をスタートされたきっかけを教えてください。

佐藤:以前から開発生産性について関心を持っていて、情報収集をしていたものの、実際の取り組みとしては反映できていませんでした。

ただ受託開発事業部を立ち上げ運用していく中で、定量的に分析できる指標を設けた方が良いのではないかと思うようになりました。受託事業は、1人当たりの開発量が売上に直結しますから。また、現場を見ていると、開発生産性が高いチームがいる一方でそうでないチームもいました。両者の違いを紐解くためにも、開発生産性を計測したいと考えたのです。

──「Findy Team+」を導入いただいたきっかけはなんだったのでしょうか?

佐藤:前職のスタートアップでFindy Team+をトライアル導入していたため、サービスの存在自体は以前から把握していました。自前で計測する案もあったのですが、費用対効果や運用負荷を考えると商用ツールを導入した方が早いだろうと考えました。そこで、活用事例が多く、開発生産性の計測ツールとして主流であるFindy Team+を導入することにしました。

──「Findy Team+」で解決したかった課題とは、どのようなものだったのでしょうか?

佐藤:まずは現在の状態を可視化したいと考えていました。以前から「プルリク作成~マージまでの時間が長い」「人によってレビューの優先度が違う」という感覚を持っていたのですが、メンバーと課題感を共有することができていなかったからです。

──「Findy Team+」の導入後にはどのようなゴールを設定されていたのですか?

佐藤:「プルリク作成〜マージまでの速度改善」と「レビューの優先度統一」です。

Findy Team+を導入する前、私はFour Keysしか意識していませんでした。そのため、導入前はFour Keysの改善をゴールとしていました。ただFindy Team+を導入してからサイクルタイムや別の指標も可視化できると知り、それらの数値を改善する方法を考えてゴールを設定していったという流れですね。

──導入前は自前で計測する案もあったとお話しされていましたね。「Findy Team+」を導入する前は、何をされていたのですか?

佐藤:開発生産性という文脈では、プルリクの件数をチェックするくらいで、特に目立った取り組みはしていませんでした。あとはJiraのVelocityなど、プルリクと紐づかない生産性について見るくらいでしたね。

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計測を通して、メンバーが自発的に取り組めるように

──リーダーのお三方より「Findy Team+」の活用、運用方法についてお話いただけますか。

糸魚川:まずは導入前の課題からお話しさせてください。HapInSはスクラム開発をしており、レトロスペクティブにて、KPTベースの振り返りを行っており、毎週Problemに対してTryを設定しています。その際、私のチームは抽象的なTryしか設定できておらず、改善サイクルをうまく回せないといった課題を抱えていました。

Findy Team+導入後は、サイクルタイム分析を通して時間がかかっている部分が可視化され、具体的なTryを設定できるようになりました。また、毎日の朝会で目標のサイクルタイムと現状のサイクルタイムを確認することで、チーム内の意識も高まりました。レビュー分析も活用していて、一部のメンバーにレビューが偏っていないかどうかを確認するようにしています。

──続けて、渡辺さんのチームでの導入前の課題と活用方法を教えてください。

渡辺:導入前はVelocityをチェックしてはいたものの、他の定量的な部分を正確に把握できておらず、課題をメンバーと共有できていませんでした。

Findy Team+の導入後も、私のチームではあまり活用できませんでした。メンバーの入れ替わりが発生した際にFindy Team+の設定を変更する必要があり、複数のチームを担当していたため対応が難しかったのです。またプロジェクトが改修、テストのフェーズに入っていたことも関係しています。バグ改修がメインとなっていたため、サイクルタイム分析があまり活用できませんでした。

ただ、Findy Team+で定量的な数値を確認できるようになり、メンバーと共通の認識を持てたのはメリットだと考えています。糸魚川さんがおっしゃったように、サイクルタイム分析を通して定量的に話し合うことができるようになりました。Four Keysのスコアを上げることを目的として、楽しみながら開発生産性に取り組めたのも良かったですね。

──メンバーの入れ替わりに伴う設定変更など、私たちの方でもサポートしていければと思っています。次に、ジョさんのチームでの活用例もお話いただけますか。

ジョ:導入する前は、Velocityを確認したあとに次週のTryを設定して、金曜日のレトロスペクティブで達成したかどうかを確認していました。

Findy Team+で一番見ていたのは、糸魚川さんと同じくサイクルタイム分析とレビュー分析です。二人がお話していたように、導入後はチームの状態が可視化されたことで、定量的に分析できるようになりました。また、私はレビュー分析に大きなメリットを感じています。というのも、導入する前はレビューの負荷が特定のメンバーに偏っていたんです。レビュー分析で誰がどれだけレビューをしているのかが明確になり、メンバーが協力しあって作業を進めてくれるようになりました。

そのほか、オフショアのメンバーとのコミュニケーションにも役立っています。プロジェクトのフェーズが変わり、国内のメンバーが他のチームに移動して、私のチームにオフショアメンバーが参加してくれています。当初は私から一方的に作業を依頼するような形で、彼らとコミュニケーションが取れていませんでした。そこでチームふりかえりβ(※)を活用してみたところ、以前よりもスムーズにコミュニケーションが取れるようになったのです。

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──「Findy Team+」の導入後、佐藤さんから見て、組織に変化はありましたか?

佐藤:メンバーのほとんどが定量的にディスカッションできるようになりましたし、一人ひとりが積極的に改善施策に取り組んでくれるようになったと感じています。各チームのリーダーに任せてボトムアップ的に進められたことで、メンバーが納得感を持って取り組めたのだと思います。

──「Findy Team+」を使って、今後トライしていきたいことはありますか?

糸魚川:サイクルタイム分析やレビュー分析以外の機能を活用したいです。例えば、メンバーの詳細機能を活用して定量的にメンバーにフィードバックするなど、一人ひとりにフォーカスした取り組みも進めていきたいですね。

ジョ:オフショアのメンバーについては、Findy Team+での計測を最近始めたところであり、まだ理想的なサイクルタイムを達成できていません。今後はオフショアのメンバーの開発生産性を向上していきたいと考えています。

渡辺:これから実装フェーズに入るプロジェクトがあるため、他のリーダーから共有いただいた活用方法を参考にして、Findy Team+を使っていきたいです。

(※)…KPTに基づき開発チームのふりかえりミーティングを円滑化し、エンジニアの開発者体験向上をサポートするFindy Team+の新機能。英語化にも対応しており、オフショア拠点のエンジニア組織でも活用可能。

自走できるエンジニアとともに開発生産性の向上に取り組んでいく

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──「Findy Team+」を導入する上で、受託企業ならではのメリットはどういったところにあると思いますか?

佐藤:他社との差別化を図るツールとして活用できるという点でしょうか。開発会社は数が多く、お客さまからすると、どこに依頼すれば良いのか判断に迷うこともあるでしょう。そんな時に、定量的なデータをもとに自社のケイパビリティを正確に伝えられるのは、大きなメリットだと思います。

また、受託案件は締め切りがあるため、エンジニアが疲弊してしまうケースもあります。しかし、定量データをもとに小さい改善を重ねることで、ゲーム感覚で楽しみながら取り組めると考えています。言い換えると、開発組織の士気を高めていくことにもつながると思います。エンジニアとしても成果が目に見えた方が達成感もあるでしょうし、スキル向上や自己研鑽に繋がるのではないでしょうか。

──それでは最後に、組織のアピールや一緒に働きたいエンジニア像を教えてください。

佐藤:HapInSの開発組織は、非常にフラットであることが特徴です。年齢などには関係なく、その人のスキルやモチベーションを重視してアサインするようにしています。

また、エンジニアのスキル向上や教育にもさらに投資していきたいと考えています。現在行っている勉強会の開催頻度なども上げていきたいと考えていて、成長意欲の高い方やモダンな技術に触れていきたい方は楽しめる環境だと思います。

渡辺:現場の意見をお伝えすると、リーダーやマネジメント層だけでなく、メンバーからも新しい取り組みの提案が積極的に出るのはとてもいいことだと考えています。実際に、Slack運用の自動化やグローバルメンバー向けに日本語の議事録を共有するなど、メンバーから意見を吸い上げて実現したことが多くあります。メンバーの希望で導入したエディターツールもありますね。

一緒に働きたいエンジニア像で言うと、未来に向かって次のアクションを自分で考えられる人です。HapInSは未経験者採用の実績もありますし、年齢や国籍は関係ありません。“現状ではできないこと”を気にする必要はなく、それよりも目標を達成するために行動できるスキルが重要だと思います。

私は文系出身で、エンジニアになるまでは「エンジニア=技術を追求するプロフェッショナル」だと思っていました。エンジニアとして技術力を磨いていくことは、もちろん必要なことです。しかし、HapInSでエンジニアとして働くなかで、それよりも大切なのは「お客さまが望むサービスや実現したいことに寄り添うこと」なのだと感じました。

お客さまに寄り添って考えられるスキルを持っている人こそがいいエンジニアなのだと思いますし、私個人としてはそういった方と働きたいです。

■プロフィール

佐藤 佑亮氏 HapInS株式会社 取締役CTO 新卒で通信会社に入社し、インフラエンジニアとして従事。その後、スタートアップ2社でソフトウェア開発とEMを経験し、並行してHapInS株式会社を立ち上げ。2024年7月よりHapInSへフルコミット。

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ジョ・ヨンハン氏 HapInS株式会社 エンジニア 韓国で半年ほどバックエンドエンジニアとして経験を積んだ後、来日してHapInS株式会社に入社。インフラ関連の業務からスタートして、フロントエンドなどを経て現在はフルスタックに活躍。2023年よりチームリーダーとして手腕を発揮している。

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糸魚川 航汰氏 HapInS株式会社 エンジニア フロントエンドをメインに経験を積み、エンジニアとしては3年目に突入。SES事業を担当していたが、社内副業として受託案件に参画したことをきっかけに開発の楽しさに気がつき、受託事業に移動。現在はフルスタックエンジニア兼リーダーとして、チームの開発を推進している。

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渡辺 ミルさん HapInS株式会社 エンジニア 2023年まではバックエンドとフロントエンドの両方に携わり、エンジニアとして開発スキルを磨いていた。受託チームに移動し、2024年からリーダーに昇格。現在は受託案件を複数担当し、プレイヤーとして開発しながらマネジメント業務もこなしている。

※現在HapInS株式会社では、エンジニアを募集しています。 HapInS株式会社の求人 ※「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。 https://findy-team.io/

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