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少数の本務メンバー×多数の兼務メンバーで成果を最大化。ソフトバンク株式会社のTASUKI事業部のレビュー改善と生産性向上の取り組みとは?

本記事のサマリ
導入前:解決したかった課題
手動管理によるデータの不正確さ、レビューの偏り、検証環境における障害発生の傾向の不明確さに課題を感じていた。
Findy Team+を導入した理由
開発の状態を数値で把握し、チーム全体で改善を進める仕組みを作るため導入を検討。
導入の決め手
GitHub連携による自動集計と、元々「数値で語る文化」があった組織にフィットしやすかったことが決め手に。
導入後:成果
レビュー体制の改善でリードタイムが短縮し、可視化データを活用した継続的な改善が実現。
Findy Team+の紹介資料は以下からもダウンロードいただけます。
目次
少数の本務メンバー×多数の兼務メンバーで成果を最大化。ソフトバンク株式会社のTASUKI事業部のレビュー改善と生産性向上の取り組みとは?
ソフトバンク株式会社のTASUKI事業部では、SaaSプロダクト開発の効率化と開発生産性向上を目指し、エンジニア組織支援クラウド「Findy Team+」を活用しています。
今回は、エンジニアリングマネージャーの森氏、エンジニアの高山氏、アプリケーションエンジニアの大村氏にインタビュー。「Findy Team+」導入の背景や、開発生産性向上のための取り組み、そして得られた成果について詳しく伺いました。
──TASUKI事業部ではどのような業務を担当しているのでしょうか? 森:TASUKI事業部では、SaaSプロダクト「TASUKI」の開発をメインに行っています。要件定義からデザイン、設計、開発、運用、リリース後の効果検証まで、プロダクト開発のサイクル全体を担当しています。
──開発組織として掲げているミッションはありますか? 森:開発組織のミッションは、「お客様にとって価値のあるプロダクトを提供すること」です。そのために、開発プロセスを継続的に改善し、より良いプロダクト体験を実現することを重視しています。特に、開発生産性の可視化と向上は、プロダクトの品質向上にも直結する重要なテーマの一つです。
──開発生産性の計測を始めたきっかけを教えてください。 森:開発の成果が見えづらいことに課題を感じていました。売上などのビジネス指標に反映されるまでに時間がかかるため、「今、自分たちの開発チームが良い状態なのか」が判断しづらかったんです。そんな中で、Googleの「Four Keys」指標を知り、これを活用すれば、開発状況を定量的に把握し、早い段階で改善につなげられるのではないかと考えました。
高山:私は最初、Four Keysという概念を知らなかったのですが、「自分の取り組みが可視化され、数字として見える」という点に興味を持ちました。特に、やったことが数値で表れると、課題の特定がしやすくなるのは良い点だと思いました。
──開発生産性の可視化を進める中で、どのような課題がありましたか? 森:導入前はスプレッドシートを活用して開発生産性を管理していました。GitHubのAPIを使ってデータを取得していたのですが、年をまたぐとエラーが発生したり、関数が崩れたりすることが頻繁にありました。また、手動でデータを集計するため、計測漏れが生じたり、実態と乖離することが多かったですね。
大村:開発チームの取り組みが、ビジネスサイドに伝わりづらいという課題もありました。エンジニアがどれだけ努力しているかが数値化されていないと、開発の価値を説明するのが難しく、社内での理解を得るのに苦労する場面もありました。
スプレッドシートでの手作業をゼロにし、瞬時に自動連携へ
──導入を決めたポイントは何でしたか? 森:最大の決め手は「自動で開発生産性を可視化できること」ですね。スプレッドシートでの手動管理には限界があり、特に「変更のリードタイム」などの指標は正確に測るのが難しく諦めていたのですが、Findy Team+なら何もしなくても自動でデータが集計されます。これは非常に魅力的でした。
大村:私も、開発の取り組みがビジネスサイドに伝わりやすくなる点に期待しました。ただ、一方で「自分の作業履歴がすべて可視化される」という点には少し不安もありましたね。でも実際に導入してみると、データが見えることで「開発以外の仕事が増えているから調整しよう」といった建設的な議論ができるようになり、むしろ良い影響があったと感じています。
──Findy Team+導入にあたり、社内での導入ハードルはありましたか? 森:幸いにも、社内での理解は得やすかったですね。もともとTASUKI事業部では「数値で語ろう」という文化がありました。ただ、開発チームのパフォーマンスは可視化しづらい領域だったため、Findy Team+の導入によって「開発の取り組みも数値で評価できるようになる」と説明したところ、スムーズに受け入れられました。
大村:ビジネスサイドの理解も得やすかったですね。「開発がどのように進んでいるのか」を説明する手段として活用できることが伝わったので、導入を進める際に大きな反対意見はありませんでした。
──Findy Team+導入前に特定していた課題は何でしたか? 森:導入前に特に課題として挙がっていたのは、以下の2点です。
1.PR(プルリクエスト)に対するレビューの偏りとレビューリードタイムの長さ 2.検証環境における障害発生の傾向を可視化できない 特にレビューに関しては、「レビュー依頼〜レビューまでのリードタイム」の削減を目標に掲げました。私たちのチームは、本務メンバー(フルタイムで開発に関わるメンバー)が数名しかおらず、6〜7人の兼務メンバー(週20%しか稼働できないメンバー)とのバランスが難しかったんです。兼務メンバーが作業できるタイミングでスムーズに作業ができるように、レビューを終わらせておく必要がありました。
高山:以前はレビューの負担が特定のメンバーに集中していたので、それを分散させ、全体のリードタイムを短縮することが目標でした。
──その課題を解決するために、どのような取り組みをしましたか? 森:具体的には、以下のような取り組みを実施しました。
1.PRが作成されたら、できるだけ早く誰かがレビューに着手する体制を整備 2.1人のメンバーに依存しないよう、レビューをチーム全体で分散 3.Findy Team+でリードタイムを定期的に可視化し、進捗を追う この取り組みを続けたことで、Four Keysの指標全体が向上し、現在は「デプロイ頻度」「変更のリードタイム」「サービス復旧時間」の3つがHighレベルを維持できています。
特に「変更のリードタイム」の短縮に関しては、レビューの分散が大きく貢献しました。導入前は、特定のメンバーにレビューの負担が集中していたため、PRの滞留が発生し、変更のリードタイムが長くなっていました。しかし、「PRが作成されたらすぐに着手する」文化が根付いたことで、レビュー完了までの時間が大幅に短縮されました。
また、「デプロイ頻度」に関しても、スムーズなレビュー体制とリリースプロセスの最適化により、以前よりも高い頻度で本番環境へデプロイできるようになっています。チームとしても、この頻度を維持することを重要視しており、デプロイに向けた準備や調整の負担を減らす取り組みを継続しています。
高山:一方で、「変更障害率」の改善にも注力しています。以前は、PRのレビューが遅れたり、品質チェックが不十分な状態で検証環境へリリースされそこで障害に気づくことがありました。Findy Team+で障害発生の傾向を可視化したことで、どの工程で問題が起きやすいのかが明確になり、適切な改善策を講じることができました。
森:実際、Findy Team+で障害発生の傾向を可視化したことで、どの工程で問題が起きやすいのかが明確になり、適切な改善策を講じやすくなりました。例えば、E2Eテストの強化や手順書の整備など、テストプロセスの最適化に取り組んでいますが、より自動化を進めることで、さらに品質を高められると考えています。
現在、Four Keysの指標のうち3つはHighレベルを維持していますが、変更障害率の改善が次の大きな課題です。定期的に数値をチェックしながら、開発スピードと品質のバランスをとるための施策を継続していく必要があると考えています。
データを基にしたレビュー文化の定着と効率化
──Findy Team+の導入後、チームにはどのような変化がありましたか? 大村:まず、レビューに対する意識がチーム全体で高まりましたね。以前は「誰かがやるだろう」という意識も少なからずあったのですが、データが可視化されることで「チームとしてレビューを回していこう」という共通認識が生まれました。
森:実際に、レビュー依頼からレビュー完了までの時間が短縮され、兼務メンバーが作業しやすい環境が整いました。また、レビューを分散することで、特定のメンバーに負担が集中することも少なくなりました。
高山:レビューをよりスムーズに回せるようになったことで、「PRの滞留が少なくなり、変更のリードタイムが短縮される」という好循環が生まれたのも大きな変化ですね。
大村:私は最初、レビューの質という面では、やはり経験のあるメンバーには敵わないと思っていました。ただ、「レビューの質で貢献するのが難しくても、リードタイムの短縮でチームに貢献できる」と感じて、積極的にレビューを行うようになりました。Findy Team+で数値が見えることで、どのように貢献できるかが明確になり、チーム全体のモチベーションも上がったと思います。
──Findy Team+の導入によって、開発生産性に対する理解や意識に変化はありましたか? 森:大きな気づきの一つは、開発以外の業務負荷が可視化されたことですね。例えば、「コードを書いている時間が減っている」という漠然とした課題意識が、データを通じて「プランニングや調整業務が増えているから開発時間が圧迫されている」と明確に把握できるようになりました。
大村:私自身も、レビューの時間を短縮するためにどうすればいいかを考えるようになったり、コメントを分かりやすく書くことの重要性を認識するようになりました。
高山:PR作成やレビューにかかる時間を意識するようになり、チーム開発全体の効率を考える習慣がつきましたね。特に、レビュー待ちの時間を減らすために、「この人が忙しいときは別の人に頼もう」といった柔軟な対応ができるようになりました。
KPT振り返り機能の活用で開発生産性向上に向けた次の一手
──Findy Team+を導入し、開発生産性の可視化と改善が進んできたと思いますが、今後さらに取り組みたい課題はありますか?
森:現在検討している施策として、以下のようなものがあります。
1.E2E(End-to-End)テストの強化
- 既存のE2Eテストに加え、新たなテストケースを追加し、検証環境での障害発生率を低減する。
- テストの手順書を整備し、開発メンバー以外でも実施できる体制を構築する。
2.モブプロ(モブプログラミング)の導入
- 週に数時間、ペアプログラミングの形でコードレビューを行うことで、ナレッジ共有と品質向上を図る。
- チームメンバー全員が設計やレビューに参加しやすい環境を作る。
3.継続的な開発生産性の可視化
- Four Keys指標を定期的に振り返り、チームの状態を評価する。
- Findy Team+を活用し、チーム全体でデータを分析しながら改善施策を決定する。
高山:特に、開発チーム内だけでなく、ビジネスサイドとも可視化データを共有しながら議論を進めることが重要だと思っています。Findy Team+を通じて、開発の取り組みがより伝わりやすくなったので、今後も活用を継続していきたいですね。
大村:私としては、メンバーの成長を支える仕組みも強化したいです。Findy Team+で可視化されるデータを活用しながら、個人の成長ポイントを振り返る機会を増やしていけたらと思っています。
──実際にFindy Team+を使ってみて、どのような点が特に良いと感じていますか? 森:最大のメリットは、自動で開発生産性を可視化できることですね。これまでは手動でデータを集計していましたが、それが不要になったことで、より正確なデータをリアルタイムで活用できるようになりました。また、KPT(Keep, Problem, Try)振り返り機能も便利です。振り返りの際に、過去のデータを参照しながら議論できるのは、チームの継続的な改善にとって非常に有効だと感じています。
高山:振り返りのデータが蓄積される点は特に良いですね。例えば、「2週間前に出た課題が、今回も同じように出ている」といったことが一目でわかるので、継続的な改善につなげやすいです。また、振り返りの際にチーム全体で共通認識を持てるのも大きなメリットですね。
大村:メンバー個々の開発生産性への意識が高まる点が良いと思っています。Findy Team+を導入したことで、チームの生産性を向上させるために「何をすべきか」をメンバーが自然と考えるようになりました。また、数値が可視化されていることで、教育のコストも下がり、エンジニアの成長につながりやすくなったと感じています。
リスペクトの文化が根付くTASUKI事業部が求めるエンジニア像
──TASUKI事業部の開発組織には、どのような特徴がありますか? 高山:チーム全体での改善意識が高く、データを活用した意思決定ができる点も強みです。Findy Team+の導入をきっかけに、数値をもとにした議論が活発になり、組織全体として成長していると感じます。以前は定性的な議論が多かったのですが、今ではデータドリブンな開発が当たり前になっています。
大村:開発チームの大きな特徴の一つは、ビジネスサイドとの距離が近いことです。お客様の声を直接聞きながら開発を進められる環境が整っているので、本当に必要とされるプロダクトを作ることができます。エンジニアが営業や企画メンバーと直接対話する機会も多く、顧客ニーズを反映した開発がしやすいです。
森:また、チーム内のリスペクトの文化も大切にしています。メンバーそれぞれが異なる得意分野を持っており、お互いのスキルを尊重しながら開発を進めています。苦手な部分を無理に克服するのではなく、得意な部分を活かしながら協力する体制が根付いているのが特徴ですね。
──今後、どのようなエンジニアと一緒に働きたいですか? 森:特定の領域で強みを持ち、自信を持って取り組める人ですね。TASUKI事業部では、それぞれの得意分野を活かしながら開発を進める文化があるので、「自分はここが得意です」と言える人が活躍しやすい環境です。技術の深堀りができる人はもちろん、ビジネスサイドとの連携に興味がある人も大歓迎です。
高山:私も同じ考えですが、技術的な特化だけでなく、チームワークを大切にできる人が理想ですね。レビューやナレッジ共有を通じて、チーム全体の成長に貢献できる人と一緒に働きたいです。チーム内では改善のための意見交換が活発なので、「より良くするために何ができるか」を考えられる人には合っていると思います。
大村:個人的には、幅広いスキルを持ち、複数の領域で活躍できる人にも来てほしいですね。TASUKI事業部には、得意分野を活かしながら補完し合う文化がありますが、それを支えるような柔軟性のあるエンジニアが増えると、より強いチームになると思っています。
※「Findy Team+」のサービス詳細は、以下よりご覧いただけます。 https://findy-team.io