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イベントレポート

【hokan×Findy】開発生産性可視化を通じた"Developer Experience向上"への取り組み

【hokan×Findy】開発生産性可視化を通じた"Developer Experience向上"への取り組み

2023年2月21日、ファインディ株式会社が主催するイベント「【hokan×Findy】開発生産性可視化を通じた"Developer Experience向上"への取り組み」がオンラインにて開催されました。

昨今では、開発生産性を定量化する指標として、GoogleのDevOps Research and Assessment(DORA)チームが提唱した“Four Keys”指標がトレンドになりつつあり、開発生産性の維持や向上をミッションに掲げ、取り組みを進める組織が増えています。

そこで今回のイベントでは、組織としてELTV(Employee Life Time Value)の最大化を通じて、投資対効果を可視化することに取り組まれている、株式会社hokanのエンジニアリングマネージャー前島治樹さんをお招きしました。

開発生産性において注視している指標や、直面した課題や解決策、Developer Experience向上への取り組みなどについて、ファインディ株式会社でVPoEを務める神谷健さんとともに、パネルディスカッション形式でお話しいただきました。

■登壇者プロフィール

株式会社hokan Engineering Manager 前島 治樹さん

大学院卒業後、ITコンサルタント、スキルシェア系スタートアップのエンジニアを経て株式会社MUGENUPに転職。開発組織の構築・マネジメントから採用周りのオペレーションまで幅広く担当。その後2021年9月より株式会社hokanに入社。エンジニアリングマネージャーとして、マネジメントから採用まで担当。

ファインディ株式会社 VPoE 神谷 健さん @k_m_y_

約10年間、フィンテック企業の業務基幹システムの開発に従事した後、株式会社ドリコムに入社。『ダービースタリオン マスターズ』など数々のヒットタイトルの開発に携わる。新しい領域への挑戦のためファッション業界、株式会社ZOZOへ。ファッションコーディネートアプリ「WEAR」の開発部長を務める。2021年11月、ファインディにジョインし、現在、VPoEを務める。

※本イベントのアーカイブ配信(無料)はこちら

目次

登壇者2名の自己紹介からイベントスタート

──まず最初に、お二方の自己紹介からお願いします。

前島:前島と申します。新卒でITコンサルタントに3年ほど携わり、貿易帳票管理システムのプロジェクトリーダーを経験したのち、株式会社タイムチケットにて、タイムチケットというスキルシェアサービスの開発に、エンジニアとして2年ほど携わりました。

その後、株式会社MUGENUPにシステム部長として参画して、そこで初めて開発組織のマネジメントと採用に携わりました。そして、2021年9月に株式会社hokanへエンジニアリングマネージャーとして参画し、マネジメントと採用を一貫してやっております。どうぞよろしくお願いします。

神谷:神谷と申します。フィンテック企業で10年ほど業務基幹システムを作っていまして、当時Ruby on Rails バージョン1から使っていたので、今となってはなかなか珍しい存在かなと思います。その後、ゲーム会社の株式会社ドリコムに入社して、競馬ゲーム『ダービースタリオン マスターズ』の開発リーダーやバックエンドエンジニア、スクラムマスターをやっていました。

その後は、株式会社ZOZOに入社して、「WEAR」というサービスの開発部長を約2年間やっておりました。そして、2021年11月にファインディ株式会社にジョインし、現在VPoEを務めております。本日はよろしくお願います。

──本日はパネルディスカッションのアジェンダとして、主に6つのテーマを用意しております。よろしくお願いいたします。

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それぞれの会社における開発チーム体制とミッション

──それでは、さっそく1つ目のテーマ「開発チームの体制やミッション」について、まずは前島さんからお願いします。

前島:hokanは、保険業界向けのSaaSを展開している会社です。現在は主に、セールスフォースのようなCRMを保険代理店業界向けに特化して構築し、その周辺のプロダクトも徐々に開発しています。

保険業界なので、個人情報などかなりシビアな情報を扱っています。そのため開発組織で重要視しているのは、セキュリティ・品質・アジリティの3つの柱。なので、スピードもしっかりと意識しながら、いかにお客様に安心感を持っていただけるかをミッションとして、開発体制を整えています。

体制としては、まずCRE(Customer Reliability Engineering)という、お客様とコミュニケーションを取るチームがあります。主に今使っているシステムから、弊社のプロダクトにスムーズにデータ移行して使っていただくための、データの移行、テクニカルサポートを担っているチームですね。CREは単体のチームとしても人数が多めになっています。

それから、セキュリティや認証基盤、クラウド基盤などを守っているSREチームとQAチームですね。QAチームはベンダーの方にも協力していただいて、2週間のスプリントの中でテストの計画、設計、実行を行い、それが完了したらリリースといった流れにしっかりQAを組み込んでいます。

上記に加えて、主力機能であるCRMと、データパイプラインを整理し保険代理店の経営課題を解決するためのダッシュボード機能、出納と呼んでいる会計プロダクト、この3つの開発ラインが立っています。そして、全体の開発生産性や評価を見るEMとして私がいて、全体の技術戦略でCTOがいるという体制になっています。

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──機能開発のチームとそれを横軸で見る体制が組まれている形ですね。

前島:そうですね。SREは他にもトイルの削除など、自動化できるところをどんどん自動化していくという横断した課題解決機能も持っています。各チームから改善の要望を集めて、それを一つ一つ解決していき、全体の開発生産性を上げていく土台の部分を作っています。

──続いて、ファインディの体制についてお願いします。

神谷:チームのミッションとしては、常に「爆速顧客価値提供」を掲げています。下記の図は、実際の組織図というよりは、現実にこういう感じで仕事していますよ、という内容を表しています。

例えば、一番左のCTO佐藤のチーム、いわゆるCTO室のようなチームですが、ここは全プロダクトを横串で見ていく役割を担っています。そして、ファインディには「Findy」、「Findy Freelance」、「Findy Team+」、「Findy Global」という4つのプロダクトがありますので、そのプロダクトごとにエンジニアがいます。

そして、QAチームや機械学習のメンバーが集まっているアルゴリズムチーム、デザインチームがあり、これらのチームは職能で集まっていて、プロダクト横断で見ていくチームになります。

体制については、メンバーが増えるたびに、その都度どんな組織が最適かを考えながらやっているので、日々リアルタイムに更新しながらやっております。あと、図の上段の左から2番目のアイコンが私なんですが、私がチームリーダーを兼務して複数チームを見ているところが課題でして、ここを代わりに見ていただけるEMの方を常に募集しています。

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注視している指標は、リードタイムのほかバグの解消率も

──続いてのテーマは、「開発生産性に関連して注視している指標」についてです。前島さんからお聞きしてもよろしいでしょうか?

前島:基本的にソフトウェアエンジニアのチームで追っている指標は、コミットからオープンまでの平均時間や、オープンからレビューまでの平均時間、レビューからアプルーブまでの平均時間など、いわゆるバリューストリームの中でのデリバリーまでの生産性。いかにリードタイムを短くできるかを見ています。また、今期からは、バグの解消率についても本格的に見始めました。

──バグの解消率を見始めるようになったのは、どんな背景があったのでしょうか?

前島:昨年は、インシデントが発生したときの影響度と影響範囲を基に、インシデントスコアを会社で定義していました。例えば、お客様の業務が停止してしまう影響度なのか、すべてのお客様に関わる影響範囲なのかといった内容を、それぞれスコアリングし、掛け算でインシデントスコアを出します。そのスコアをいかに継続的に抑えられるかを、品質の1つの指標として見ていました。

ただ、それらはひと通りQAを導入したり、技術的な負債を解消したりしたことで安定してきました。なので、その次に何をするのかというところで、バグ自体はこれからも起こり続けるものなので、バグの傾向を分析したんですね。

分析してみると、動作確認の漏れなどは、リリースのたびに出てきてしまうことが分かりました。それは致し方ないとして、いかに早く解消し減らせるかという指標として見ているのが、バグの解消率です。すべてのバグの中からリリースしたものと、まだチケットとして残っているものの比率をモニタリングしています。

──続いて、神谷さんはいかがでしょうか?

神谷:今チームとして見ている指標は、「Findy Team+」の機能でいうと、サイクルタイム分析のところですね。このサイクルタイム分析の機能が実装されたとき、私が直接見ているチームでは、Eliteではなく、Highだったんです。ここをいかにEliteにしていくかを注視していて、現在はEliteを保っているので、落ちないように日々チェックしています。

個人単位では、目標制度などと絡んできますが、プルリクの数やリードタイムを注視しています。なので、わりと一般的な指標を見ているのかなと思います。

サイクルタイム分析によって、チームの自律的な改善が進む

──それぞれの指標を注視されてきたなかで、「改善活動において直面した課題と解消策」についてお伺いできればと思います。

神谷:それほど大きな課題感はありませんでしたが、サイクルタイム分析を見ていると、開発の状況によっては一定期間下がることもあり、そこはやはり仕方がないかなと思っています。

取り組みとしては、ファインディには週報の文化があるので、そのタイミングで必ず「Findy Team+」の自分とチームのデータを見て、今の状況を分析してもらっています。なので、本来ならEMとして、チームの課題を見つけて、それを解決していく仕事があると思うのですが、最近その仕事をあまりやっていないなと(笑)。

週報文化でみんなが常に振り返っているので、数字が悪化すると、メンバーが集まって解決策を話し合い、そこから改善アクションを各々実施しています。これによって、サイクルタイム分析でEliteを保ち続けられているのではないかと思っています。

この週報文化ができたのは今年からで、昨年までは自分がチーム状況を見て、課題を発見したら個別で話しに行っていました。ですが、今年になってからは全然やらなくなったので、みんなが独自で振り返る文化がつくれると、EMの仕事はかなり減りますね。

──前島さんは、こちらについていかがでしょうか?

前島:サイクルタイム分析を計測することによって、各チームが自律的に改善していく流れが上手くつくれたと思います。各チームがOKRを設定するときに、「Findy Team+」の数値や、hokanで定義したインシデントスコアやバグの解消率などの定量的な指標が、Key Resultsに入る文化ができたので、各チームが自律的に改善していけるようになりました。

直面した課題としては、サイクルタイム分析をするうえで、常に安定していることはありえないということですね。大きい機能をリリースしたら、当然また負債ができるので。ただ、パフォーマンスが低下したときに、何が問題なのかをプロダクトオーナーと議論しやすくなりました。それが技術的な負債であれば、ロジカルな根拠をもって「解消しよう」という話ができます。

今どういう理由でパフォーマンスが落ちているのか、数値をもとに議論できると、目に見えない不安やプレッシャーから解放されますし、「ビジネス側が全然わかってくれない」という話にもなりにくい。直面する課題があっても、そのたびにきちんと改善する流れができるところは、かなり良かったですね。

両社のELTV向上、オンボーディング体験向上への取り組み

──続いて、「Developer Experience(開発者体験)向上への取り組み」について、実際の取り組みなどを深掘りしてお伺いできればと思います。

前島:下記の図は、ELTV(Employee Lifetime Value)を表したものです。入社してすぐはマイナスから始まり、パフォーマンスを発揮するまでが最初の傾きですね。そこから次のキャリアを考え、退職するまでがグラフで表されていて、従業員が稼ぎ出す生涯価値を表しています。つまり、この面をより大きくすれば、エンジニアが稼ぎ出す生涯価値が上がっていくというものです。

hokan×Findy_report_04 ※参考:開発組織が事業のLTV最大化につなげる仕組みづくり

これを弊社ではどう設計したかというと、基本的な考え方は同じで、アウトプットをストーリーポイントの合計で測りました。開発組織だけに当てはめているので、エンジニアのELTVとして、MRRを基準に計算しています。このELTVを大きくするために、いかに生産性を上げられるかを考えています。

なので、入社してから、より早期にパフォーマンスを発揮できるようにするために、まず重要なのはオンボーディングや情報共有。それから、パフォーマンスの最大化のために、いかに開発者体験を良くするかが重要になります。

例えば、いかに実装しやすいか、負債が少ないか、安心して開発してリリースできるか、テストの流れができているのか、といったことですね。その整備に加えて、チームごとのケイパビリティを計測するために、スキルマトリクスをつくってモニタリングしています。

パフォーマンスが発揮できる環境ができてきたら、今度は継続的に生産性を上げながら開発していきたい。そのために、1on1やOKRでの目標設定を行いますが、ここで開発組織の生産性を定量的に確認できる仕組みが必要なので、「Findy Team+」の数値やインシデントスコア、バグの解消率などの指標を見ています。

また、どんな人であれ必ず、次のキャリアについては考えるので、自身の可能性がhokanにいて広がったかどうかが重要になってくると思っています。もちろん、そのうえでhokanにいてくれたら嬉しいですし、実績を積んで他に行くという選択肢もあるでしょう。このライフタイムバリューの期間としては、だいたい2年くらいで設定しています。

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──こうしたアプローチに至った背景についても、教えていただけますか?

前島:例えば技術的な負債があるとして、それに対する取り組みの期間が長くなったり目的がぶれたりすると、「結局何のためにやっているのか?」という疑問がだんだん積み上がってしまうんですよね。

でも、このアプローチがあれば、エンジニア一人ひとりの行動が、必ず売上の向上につながっていますよと伝えられます。これはMRRから割り出しているので、それが大きくなるということは、中長期的に見てMRRが伸びているということになります。

つまり、一人ひとりの書いたコードが、しっかりと売り上げに繋がっているんだということを、ロジックとして説明するために、この理論を立てました。そのためには定量化が必須だったので、徹底的に定量化しているといった流れになります。

──話題のなかで触れられていたオンボーディングについて、ファインディでも注力していると聞いています。どのようなアプローチをしているのでしょうか?

神谷:私のチームでも、メンバーの立ち上がりをいかに早くするかに注力していて、下記の図を見ると、稼働人数が増えるにつれて、1人当たりのプルリク数があまり下がっていないことがわかります。

新しいメンバーがジョインしたときに、ガクンと下がるのが一般的だと思いますが、しっかりとすぐに戻して、良い状態を保てている状態が見てとれるかなと。これを実際にどうやっているかについて、お話ししたいと思います。

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神谷:下記は11月にジョインしたメンバーのデータで、本人了解のもと出しております。左側がそのメンバー個人のデータで、右側が全エンジニアの平均データです。左側のデータの最初の5日間くらいを見ると、フルタイムエンジニアの平均よりはちょっと低め、とはいえそんなに悪くない状態が見てとれます。

それ以降は、いきなりフルタイムエンジニアの平均より高い数値を叩き出していますから、入社した翌週にはもう十分に立ち上がったと言え、早期にオンボーディングできた事例になります。

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神谷:オンボーディングの取り組みとしては、自分のチームにジョインしたメンバーには、1日10分でも夕方に必ず1on1をして、何か問題がないか、上手くやれているかを、必ずヒアリングするようにしています。

そして、1週間経ったら前週のデータを見て、他のエンジニアの平均と比べながら、どうやったら他のエンジニアと同じような数値になるか、アクションプランをお話ししています。ここでデータが可視化されていないと、なんとなくの雰囲気で話をすることになってしまうんですね。

それから、これを週単位ではなく1ヶ月でやると、上手く立ち上がっていなかった場合、「次の1ヶ月をどうやって上げていこうか」という話になり、オンボーディングに2ヶ月かかってしまう。なので、しっかり可視化しながら、週単位でやっていくという形で取り組んでいます。

採用では、可視化する文化とのカルチャーマッチを重視

──開発者体験を向上させるための取り組みのなかで、「採用プロセスで意識していること」があれば、お聞きしたいと思います。

神谷:まずは、ファインディの働き方に対してカルチャーマッチするかどうかは、お互いにすごく見るところかなと思います。例えば、評価制度について質問をもらうことが多いのですが、私は「プルリクの数を目標に入れています」と話しています。

それに対して、「自分のデータは可視化されたくない」と感じる方だと、マッチしにくいかなと。なので、自分のデータをしっかり客観視できて、それを改善につなげることができる方を求めているという、このすり合わせが重要だと思っています。

──前島さんは、いかがでしょうか?

前島:採用プロセスのなかで、hokanの定量化していく文化を良いと思うか、馴染めるかどうかは、すり合わせるようにしていますね。

いろいろなバックグラウンドを持った方がいますから、組織に現状どういった課題を感じているかとか、自分自身がどうなっていきたいかとか、これまでのエピソードを含めてしっかりとヒアリングしたうえで、「自社ではこう取り組んでいます」、「こういった課題に対してはこう対応してきました」と、一つずつ丁寧に説明していくことが重要かなと思っています。

──両社とも開発のパフォーマンスを可視化していく文化があるなか、数値化に対するネガティブな声が出てきた場合に、どういったお話をされていますか?

前島:数字至上主義になっていないかというと、ここまで定量化しておいて何とも言えない部分もありますが(笑)、僕はそうなってほしいとは思っていません。経営戦略では、もちろん数字が重要になってきますが、組織のマネジメントは必ずしもそれだけではないですし、人は感情で動くものでもあります。

マネジメントに関しては、定量的な目標でのOKRのほかに、目標を達成するために行った行動や活動などを評価する、10項目のコンピテンシーも定義しています。もちろんプライベートでの変化などもあったりしますので、1on1で形式ばらずに話しながら、寄り添っていくことも重要だと思っています。

──コンピテンシーの10項目には、例えばどんなものがあるのでしょうか?

前島:リーダー層とメンバーで少し違いがありますが、基本的にはバリューに紐づいています。hokanには、「TAKUSU(託す)、SOJO(相乗)、MASSUGU(真っ直ぐ)」という3つのバリューがあります。

「TAKUSU」に紐づくコンピテンシーは、指導者、育成、組織推進力。「SOJO」に紐づくのは、対人関係の理解、市場理解への関心、協調性。「MASSUGU」に紐づくのは、目標達成力、洞察力、戦略思考、学習力。この10項目が定義されています。

──続いて、神谷さんはいかがでしょうか?

神谷:プルリクの数を目標に設定しているとお話ししましたが、プルリク数だけがすべてではなく、それ以外の指標でもしっかり評価できる準備をしていることは、目標を設定するときにすり合わせています。本来あくまでも、顧客価値提供のためにやっていることですから、単にハックしてプルリク数だけを伸ばしても、本質的ではありません。

なので、プルリクの数以外にも、例えばレビューの数やスピードなど、いろいろな指標を設けています。ですから、プルリク数が伸びなかったとしても、「他のところで代替できていて、トータルで見ると価値提供できていますね」と判断できるような目標設計になっています。

目の前の取り組みが、いつか日本に影響を与える未来に

──参加者の方からの質問で、「現場を巻き込むところが1つの大きな課題になると思いますが、コツはあるでしょうか」といただいていますが、いかがでしょうか?

前島:近道はなくて、リーダーにもメンバーにもしっかり丁寧に、頻度高く密に説明していくしかないと思っています。納得いくまで話し合ったうえで、「まずはやってみよう」というところから、形ができてくるのかなと感じています。規模や課題もそれぞれだと思いますが、関わる人すべてにちゃんと説明していくことが大事かなと思います。

──こちらの質問について、神谷さんはいかがでしょうか?

神谷:成功体験を積み上げていくことが大事だと思います。最近の我々の事例でいうと、「Findy Freelance」のサービスで大きめのリファクタリングをやったときに、施策開発を2週間程度止めたんですよ。

普通は「2週間も止められると困る」という話になると思うのですが、ファインディの中では過去の成功事例として、その取り組みをした後、開発の生産性がものすごく上がるということが、エビデンスとして「Findy Team+」のデータで見えているんですね。なので、事業側の人たちにも、すんなり受け入れてもらえました。

最初が一番大変だと思いますが、成功体験を積み上げていくと、次からの取り組みを説得しやすい材料になります。なので、その成功体験をいかにつくるかが大事かなと思っています。

──それでは、お時間となりましたので最後にお二方から一言ずつお願いします。

前島:開発生産性に関して、普段あまり聞かないような指標やワードが出てきて、「そこまで考える必要があるのか」と思った方もいると思いますが、これが必ずしも正解というわけではなく、各組織や各プロダクト、各ドメインに合ったものがあると思います。

そういったことをちゃんと話し合える文化や環境で、日本全国のエンジニアが働けるようになっていくために「Findy Team+」があると思うので、皆さんもどんどん活用していきましょう。

神谷:チーム組織をどう最大化していくかについては、どこも課題があると思うのですが、実際に数値を見ながら改善してみると最大化できる実感が湧くと思います。個々の小さな組織が最大化していくことを、ものすごく広い目で見れば、日本全体のGDPにまでつながるのではないかと思うんです。

我々の目の前の取り組みが、日本の経済そのものに影響を与えるような未来が、いつか来るのではないかと私は思っていますので、皆さんもぜひそういったところに取り組んでいただけると嬉しいなと思います。

──前島さん、神谷さん、本日はありがとうございました!

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